北海道大学大学院医学研究院 呼吸器内科学教室 北海道大学病院 呼吸器内科 Department of Respiratory Medicine, Faculty of Medicine, Hokkaido University

2013 特集記事

2013 特集記事特集No.1 新人医局員大集合

鈴木 奈緒子 先生

鈴木 奈緒子 先生

呼吸器内科を選んだ理由

2年目の研修の頃から「内科医になりたい」と決めていたのですが、結婚・出産したあとも内科医を続けたいと考えていました。そこで、先輩の女医さんに相談させていただいたところ、「環境面でも精神面でも、大学病院の方がいいよ」というアドバイスを多くいただきました。呼吸器内科にはたくさん女医さんがいらして、そうした話が多く聞けたことが大きかったですね。
また、内科の中でも「勉強したい」と思っていた科がちょうど一内には揃っていました。呼吸器、循環器、そして糖尿病もできます。
関連病院を見ても、循環器をしっかりしている病院もあれば、呼吸器、DMを回れる病院も全部お持ちなので、「ここしかない」と。

もちろん、一内のアットホームな雰囲気も決め手でした。他の科でも、勉強熱心で雰囲気のよいところもありました。でも、呼吸器内科は「一緒に考えよう」という雰囲気で、グループ同士でのコンサルトがとてもやりやすく、先生同士の距離も近いんですね。そういう意味で、わからないことも聞きやすく、学びやすい環境でした。

後期研修について

最終的に専門としたいと考えているのは糖尿病なのですが、内科医としてやっていくには、それ以外の循環器や呼吸器が診られなければなりません。結局すべて糖尿病に関係してきますから。KKRはその面において札幌でも主要な病院です。今は忙しい毎日ではありますが、とても勉強になっています。

最初の半年は循環器を、次の半年は呼吸器を担当します。ですから、今のところ呼吸器科の研修はまだです。ただ、循環器、呼吸器と科は分かれてはいるのですが、内科としては一つで、その中で当番制になっています。ですから、自分が救急の担当であれば、肺炎も消化管出血もDMも自分で診ることになります。今、担当している患者さんも1/3は循環器ではないですし、偏らずにやれているかなと思っています。救急対応も様々な疾患で経験させていただいています。

鈴木 奈緒子 先生

呼吸器内科を考えている女性の皆さんへ

女医さんが今後増えてくると思いますが、勤務が大変とか、サポート体制ができていないとか、休みが取りづらいという理由で内科をあきらめるのであれば、それはもったいないと思います。私の同期の友だちと話をしても、「結婚したら内科なんて考えないよ、無理でしょう」と最初から言っている子が多く、大学の友だち10人くらいの中でも、内科に行くのは私ひとりでした。「どうして内科に行くの」「どうするの、結婚もしてよく頑張るね」と言われたりします。でも「この一内の雰囲気を見てもらえたら、そんな風には思わないのにな」と残念に思います。

確かに、呼吸器内科のサポート体制がしっかりしているとはいえ、「それでも現実は大変だな」と先輩の先生方を見ていると思います。でも、呼吸器内科のいいところは、そういう現実を踏まえた上で話をしてくれますし、実際に子どもができたら「こういうプランでやったらいいよ」と具体的に示していただけるところだと思っています。

育児を経験した先輩の女医さんもたくさんいらっしゃいます。どちらかというと家庭メインで仕事を細々と続けている生、病院をメインにして家のことをサポートしてもらっている先生など、仕事と子育ての両立の方法は、その方その方で違い、参考になります。

呼吸器内科には「プリティ女医会」、略して「PJ会」と呼ばれる会があります。年に3回くらい、ちょっといいレストランに行ってワイワイするんです。そこには、外来だけ来ている先生とかいらっしゃるので、普段会わない先生とも話ができて楽しいですよ。

以前、テレビで「マタニティハラスメント」を取り上げていました。例えば子どもができたと周りに報告したら、「こんな忙しい時期に?」と言われたりする。働く女性が増えると、こういうことが問題になってくると思います。その点、呼吸器内科ではまったくストレスがありません。こうした問題を恐れて内科をやめようとするなら、もったいないことです。

呼吸器内科に入局しまだ一年目ではありますが、これから先、あんな女医さんになりたいと思われるような内科医になりたいと考えています。