臨床研究
1 ドライバー遺伝子変異の
検索・治療法開発
肺癌ではドライバー遺伝子変異によりシグナル伝達経路が恒常的に活性化し、腫瘍の増殖に寄与します。このため、分子標的薬の開発・臨床応用が進んでいます。当科も多施設と協力し、検索技術や新規薬剤の研究を推進しています。
Nosaki K, Yoh K, Toyozawa R, et al. Int J Clin Oncol. 2024;29:1142-1151
Sugimoto A, Matsumoto S, Udagawa H, et al. Clin Cancer Res. 2023;29:1506-1514
Fujita K, Arai R, Shoji S, et al. Cancer Sci. 2023;114:3342-3351
Izumi H, Matsumoto S, Liu J, et al. Nature. 2021;600:319-323
Yasuda H, Ichihara E, Sakakibara-Konishi J, et al. Lung Cancer. 2021;162:140-146
2 EGFR遺伝子変異陽性肺癌の治療開発
2004年のEGFR遺伝子変異の発見以来、当科ではHOT(北海道肺癌臨床研究会)、NEJ(北東日本研究機構)に所属する多施設の先生方と共同で様々な臨床研究を行ってきました。特にEGFR遺伝子変異陽性肺癌に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)単剤または化学療法との併用に関する臨床試験を数多く実施、各治療法の臨床的有用性について発表してきています。
1 EGFR-TKI単剤の臨床研究
Mizugaki H, Oizumi S, Fujita Y, et al. Eur J Cancer. 2022;160:227-234
Yamamoto G, Asahina H, Honjo O, et al. Sci Rep. 2021;11:23140
Maemondo M, Inoue A, Kobayashi K, et al. N Engl J Med. 2010;362:2380-2388
Asahina H, Yamazaki K, Kinoshita I, et al. Br J Cancer. 2006;95:998-1004
2 EGFR-TKI+化学療法併用の臨床研究
Saito R, Sugawara S, Ko R, Azuma K, et al. Eur J Cancer. 2023;185:83-93
Tanaka K, Asahina H, Kishimoto J, et al. Eur J Cancer. 2021;149:14-22
Sugawara S, Oizumi S, Minato K, et al. Ann Oncol. 2015;26:888-894
3 免疫チェックポイント阻害薬
に関する臨床研究
近年、免疫チェックポイント阻害薬は肺癌の治療において重要な治療薬であり多くの臨床研究がなされています。当科におきましても免疫チェックポイント阻害薬に関連して多くの施設と共同で臨床研究を行っています。
1 進行期肺癌における免疫チェックポイント阻害薬に関する臨床研究
Tsukita Y, Tozuka T, Kushiro K, et al. JAMA Oncol. 2024;10:439-447
Yagishita S, Yamanaka Y, Furuta M, et al. Clin Pharmacol Ther. 2024;116:1042-1051
Morinaga D, Asahina H, Ito S, et al. Cancer Med. 2023;12:11525–11541
Ikezawa Y, Mizugaki H, Morita R, et al. Cancer Sci. 2022;113:2109-2117
Ito S, Asahina H, Honjo O, et al. Lung Cancer. 2021;156:12-19
2 進行期肺癌における免疫チェックポイント阻害薬に関する臨床研究
Furuta M, Yokota I, Yamaguchi T, et al. Cancer Sci. 2024;115:3705-3717
Tsuji K, Mizugaki H, Yokoo K, et al. Cancer Sci. 2024;115:1273-1282
4 小細胞肺癌に関する臨床研究
小細胞肺癌は長らく有効な治療方法がなく予後不良な疾患でした。しかし近年は免疫チェックポイント阻害薬の併用、その後の治療薬の開発が進み新規薬剤の開発が進んでいます。当科においても小細胞肺癌の病態、新規治療法の開発についての研究が行われています。
Morinaga D, Sakakibara-Konishi J, Kitai H, et al. Respir Investig. 2025;63:423-430
Umemura S, Udagawa H, Ikeda T, et al. J Thorac Oncol. 2025;20:177-193
Hashimoto K, Morinaga D, Asahina H, et al. JTO Clin Res Rep. 2024;5:100715
5 希少癌についての検討
胸腺腫や胸腺癌、中皮腫などの希少癌についても、道内・道外の多施設の先生方と共同で臨床研究を実施しています。
Takagi K, Saito G, Tanaka H, et al. ESMO Open. 2025 (online ahead of print)
Sato J, Satouchi M, Itoh S, Mizugaki H, et al. Lancet Oncol. 2020;21:843-850
6 気管支鏡技術の研究開発
1 気管支鏡を用いた診断
我々は、末梢肺病変の診断において、気管支鏡ナビゲーションとラジアル型気管支腔内超音波断層法(EBUS)の併用により、極めて高い診断率が得られることを実証し、この分野で多くの新たな知見を報告してきました。現在も、さらなる精度向上を目指し、新たなナビゲーションシステムの開発に取り組んでいます。 また、近年の肺癌診療では、多様なバイオマーカーの解析に対応するため、より多くの腫瘍組織採取が求められています。当科では2018年よりクライオ生検を導入し、その有用性を国内外の学会で発信しています。
Asano F, Shinagawa N, Ishida T, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2013;188:327-33
Ikezawa Y, Shinagawa N, Sukoh N, et al. Ann Thorac Surg. 2017;103:470-75
2 気管支鏡を用いた治療
海外留学経験を有する高島医師を中心に、肺癌をはじめとした悪性疾患による気道狭窄に対する呼吸器インターベンションに注力しています。このため、札幌市内のみならず、北海道各地から治療相談を受け、患者さんの窮状に日々対応しています。 また、肺癌に対する動体追跡照射(RTRT)や陽子線照射に必要な金球挿入をはじめ、難治性気胸や喀血に対する気管支塞栓術(EWS)、重症肺気腫に対する気管支バルブ留置術など、他科との密な協力体制のもと、多岐にわたる気管支鏡治療を実践しています。
3 気管支鏡技術の進化を目指した研究
我々はこれまで、医療機器メーカーと連携し、気管支鏡をはじめとする各種医療機材の開発および性能評価に取り組んできました。今後も、現場の診療ニーズに即した製品開発を実現すべく、産学連携の枠組みを活かして、実臨床に根ざした研究を継続してまいります。
Kikuchi E, Yamazaki K, Sukoh N, et al. Eur Respir J. 2004;24:533-7
Shinagawa N, Takashima Y, Kashima M, et al. J Bronchology Interv Pulmonol. 2025;32
Takashima Y, Shinagawa N, Shoji T, et al. J Bronchology Interv Pulmonol. 2025;32