北海道大学大学院医学研究院 呼吸器内科学教室 北海道大学病院 呼吸器内科 Department of Respiratory Medicine, Faculty of Medicine, Hokkaido University

2016 特集記事

2016 特集記事特集No.3 留学先からのメッセージ

留学だより 85期 中久保 祥 先生

医師8年目の中久保と申します。

私は初期研修を北大病院プログラム(砂川市立病院とのたすきがけ)で過ごしましたが、その際にお世話になった呼吸器内科と関連病院の縁で入局を決めました。

その後砂川市立病院、帯広厚生病院を経て6年目に北大呼吸器内科に戻り、7年目で大学院入学し、東邦大学微生物学教室に国内留学することを決めました。しかしその前に、1年休学という形をとり、現在JCHO東京高輪病院感染症総合内科で勤務し、感染症診療研修を行っています。生後間もない赤ん坊の育児と猛暑との闘いの日々を過ごしています。

私が感染症診療の道へ進んでいるのは、ひとえにお世話になった呼吸器内科の先輩方のおかげですが、現状として呼吸器内科には感染症診療の土台が確立しているわけではありません。呼吸器内科に限ったことではなく、正直にいうと北海道全体として適切な感染症診療が根付いているとは言いがたい状況です。一つの私の目標としては、呼吸器内科を土台として、北海道全体の感染症診療の底上げを図りたいということがあります。独学や諸先輩方の指導を受けながらこれまでやってきましたが、いざ感染症診療の土台を築くにしても、臨床のみならず基礎的な観点からのアプローチなしには、おのずと限界を迎えることも予想されました。基礎の世界に飛びこみ、どんな結果を出してそれをどのように呼吸器内科に還元できるかわからない状況ですが、この度は思い切って国内留学を決めるに至りました。

私の基礎研究はこれからですし、短期間で何ができるか、不安も大きいです。しかし現在の職場で、同じような道をたどってきた、Clinical microbiologyを基礎的な観点も織り交ぜながら診療に活かす臨床スタイルを実践する先輩医師を間近で見ることで、自分の選択に間違いはなかったのだと思っています。

私の話が、呼吸器内科を選択肢に考えていらっしゃる若手の皆さまの良い参考になるかはわかりませんが、少なくとも、臨床をしっかりやるにしても、研究をやるにしても、両者をバランスよくやるにしても、呼吸器内科はその意向に寛容ですし、保守的ではありません。臨床研修の場の幅も広いですし(今回はあまり語りませんでしたが、アツい研修病院ありますよ)、研究のノウハウ、実績が豊富ですし、なにより医局の雰囲気が良いです。(自分はいませんが・・)一度ぜひ見学にいらしてください。